お客様の価値観
「物資の高騰」
昨年からウッドショックの影響で木材の高騰が続いております。
アメリカや中国の建築ブームが原因とされていますが、
木材ばかりでなく資材関係のほとんどが値上げをし、建築関係会社の皆さんは頭を
悩ませていることと思います。
もう一つ頭を悩ませているのは、資材搬入の遅れです。
コロナの影響で、海外からの部品調達が困難となり住設機器(便器、照明器具、ボ
イラー、ガスコンロ、サッシetc…)や
木材加工品関係ではフローリング、木製建具など、様々な資材の入手が困難となっ
ております。
物によっては2,3ヶ月待ちの資材もあり、資材搬入に合わせての建築計画が必須
です。
期間限定(急ぎの工事依頼)の場合は、お客様に説明して妥協して頂き、本当に欲
しかった物を提供できない場合もあります。
私が大工になってから、このような事は今まで無かったと記憶しておりますが、
今後もロシア、ウクライナ情勢の影響を受け、資材不足や資材の高騰は避けられな
いでしょうね。
不安定な世界情勢ではありますが、これからもお客様により良い物を提供していく
ため弊社も試行錯誤の日々であります。
「杉の魅力」
そんな折、最近また注目して採用している材料があります。
それは、「杉材」です。
杉材は比較的安価で加工もしやすい為、私が大工を始めてから今日までずっと使い
つづけている材料の一つです。
では、なぜ今また杉に注目しているのかと言うと・・・
一昨年知人からの紹介でリフォーム工事を行ったK様邸の話になります。
畳の床からフローリングに敷き替えする工事内容でした。
古い建物のようで断熱材も入ってなく、床からの底冷えを気になさっていたので
断熱工事もプラスして行うことになりました。
はじめK様は、合板のフローリングを希望されていたのですが、打ち合わせを重ね
ていくうちに無垢材のフローリングに興味をもたれ、結果的に杉のフローリングを
採用する事になりました。
私自身、杉のフローリングを張った経験は少なく、お客様にもお勧めしてこなかっ
たように思います。
それはやはり杉が柔らかく加工しやすい反面、傷がつきやすく床材には不向きだと
思っていたからです。
しかし、K様は傷がつきやすいデメリットよりも、調湿性があり素足で歩いた時の
質感が良いメリットの方を高く評価致しました。
「頑固とこだわりは違う」
はじめは価値観の違いだからしょうがないかぁと思っていましたが、実施に張って
見ると古い建物にとてもマッチしたモダンな感じに仕上がったのでした。
K様の頭の中には張る前からすでに仕上りのイメージが出来上がっていたのかもし
れません。
どうしても経験年数を重ねていくと頭が固くなるのか、自分の薦めるものが一番良
い物だと勘違いする場合があります。
自分が経験し良かった物をお客様に提供することは当たり前のことですが、これが
お客様にとって押し売りになったのでは本末転倒ですからね。
初心に帰り、お客様にとって一番最適な物や最適な事は何なのか、お客様の声をよ
く聞く必要があると感じたのでした。
この工事以来、杉の素晴らしさを再確認し、度々杉を仕上げ材として取り入れてお
ります。
無垢フローリング大好評です。
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