「グラスウール断熱材」について考える

2022/12/30
2024/05/20

グラスウールの特徴

 

前回、「断熱材の選び方」という題目で断熱材について書かせていただきました。

(色々な種類の断熱材の特徴を書いておりますのでご覧ください。)

 

今回は断熱材の中でもグラスウール断熱材に的を絞って書いていこうと思います。

 

最初にお伝えしておきますと、弊社は断熱材にグラスウールビーズ法ポリスチ

レンフォームフェノールフォームを主に採用しております。

 

グラスウールは、安いコスト高い断熱性をもつことから、住宅用断熱材として

幅広く使われています。

無機繊維系の断熱材の一種で、繊維と繊維の間に空気を含むことで熱を伝わりに

くくします。

原料のガラスを高温で溶かして、遠心力などで細かい繊維状にしています。

主に資源ゴミからできたリサイクルガラスを使用しており、環境にも優しい素材

です。

 

「高性能グラスウール」

 

グラスウールには、ホームセンターでも売っている「通常のグラスウール」「高

性能グラスウール」があります。

高性能グラスウールと呼ばれるものは、通常のグラスウールよりも繊維が細かく、

より空気をため込むことができます。

断熱材の性能は主に熱伝導率(熱移動のしやすさを数値化したもの)で決まり、熱

伝導率の数値が低いものほど高性能と言えます。

 

また、グラスウールの断熱性能は繊維の密度も重要で、密度が高いものほど高性能

になります。製品ごとに10K、16K、24Kなどと密度が表示されております。

 

熱伝導率を比較すると・・・

 

熱伝導率〔W/m・K〕

 

通常品グラスウール10K 〔0.050〕

高性能グラスウール10K 〔0.043〕

 

通常品グラスウール16K 〔0.045〕

高性能グラスウール16K 〔0.038〕

 

通常品グラスウール24K 〔0.038〕

高性能グラスウール24K 〔0.036〕

 

「高性能グラスウール16Kがポピュラー」

 

高性能グラスウールには、16Kの他に24Kもよく流通しています。

 

高性能グラスウール24Kは、高性能グラスウール16Kと比べて価格がアップする

割には、熱伝導率が〔0.036〕と性能がたいしてアップしないので、弊社では

高性能グラスウール16Kを採用しております。

 

グラスウールよりも断熱性能が高い断熱材として、「フェノールフォーム」などが

ありますが、コストが高いので弊社では床下の断熱材にビーズ法ポリスチレンフォ

ームやフェノールフォーム等の発泡プラスチック系の断熱材を使用し、壁や天井の

断熱材に高性能グラスウールを採用しております。

 

「まとめ」

 

グラスウール断熱材の最大のメリットは、高い断熱性能を低コストで実現できるこ

とです。

 

また原料がガラスなので不燃性で、万が一火事が起こっても有毒ガスなどは発生し

ませんし、ガラスは高い耐久性を持つので経年による劣化が少ない素材です。

 

しかしデメリットもあり、水分に弱いのが弱点です

 

グラスウールは繊維の間に空気を含むことで熱を伝えにくくします。

水に濡れたり湿気を含んだりすると、断熱性能を発揮できません。

 

そのためグラスウールは袋詰めや防水シートなどを用いて湿気の影響を受けないよ

うに施工する必要があります。

 

また施工精度によっても性能が変わります。

グラスウールを詰め込みすぎたり、隙間が出来た状態では正しい性能が発揮できま

せん。

グラスウールの性能を理解し、正しい施工方法を行えば非常に優れたパフォーマン

スを発揮してくれる断熱材なのです。

 

▼寒さ対策、暑さ対策で断熱改修をお考えの方はこちらからどうぞ

 

 

オススメの記事